*愛。*―あなたがくれたモノ―




「あ-ぁ…、泣いちゃった…。」


「…ック…。海斗ぉ…ヒック…。」



「うん?俺はここに居るよ?」


そう言って、私を強く抱き締めた。



「葵、可愛い過ぎ…。俺の理性持たねぇ…。」



耳もとで言われたから…、

くすぐったかった。


「あ…くすぐったい。海斗…。」



「葵、耳弱いの…?」


また、耳もとで…ッ。


「ん…知らなッ…い…あ…よ。」



「やべ-、そんな声聞いたら、俺、止まんね-。」


「海斗…?葵、いいよ…。海斗だったら大丈夫だよ…。」


「…家帰るかっ!」


「え…?」


「そんな顔すんなって、家帰ってから、続きしようぜ。」


「なッ…。」


顔が赤くなるのが分かった…。


私、海斗なら大丈夫だって思った…。



初めての相手が海斗ならいいやって思った…。




あんな幸せな時間もあっと言う間に…、


崩れていった…。











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