*愛。*―あなたがくれたモノ―
二人で達耶ん家に帰る途中。
「達耶ん家って何人家族?」
「えと、4人。親父に母ちゃんに、兄貴が一人で俺の4人家族。葵は?」
「3人。葵は一人っ子。」
「実家遠いの?ほら、一人暮らしするぐらいだし‥?」
「ん-ん、実家は市内だよ。」
「なんで一人暮らししてんの‥?仲悪いとか?」
「そ-ぢゃないよ。2人とも無関心なの。てゆ-か、多分葵が邪魔だったんだよ‥。
高校生になったら一人暮らししろって言われてたし、
夜遊びしても、家に帰って来なくても、なんにも言われた事ないし。
てかね、夜家に誰も居ないよ。5000円置いて出て行くの。
お母さんの手料理なんて何年食べてないんだろ?
葵はね、要らない子供なの。だったら産まなきゃいいのにね‥。」
「葵‥。大変なんだな‥。なんか、こう‥上手く言えないけど…。」
「有り難う。達耶は優しいね‥。」
私は無理に笑った。
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