今日も一条三兄弟と××な日々。
だけど誰も霧島くんに逆らえる人はいないらしく、理不尽な校則が追加されたまま1日が始まってしまった。
「まりりん……まりりん」
2限目の教室移動の廊下で突然誰かに名前を呼ばれた。
「晶くんどうしたの?」
科学実験室の扉を少しだけ開けて晶くんが私を手招きしている。周りを見渡しながら「しーー」と注意されあと半ば強引に実験室へと手を引かれてしまった。
実験室は黒いカーテンが閉められていて日中でも薄暗い。
「あれ?1年生って実験の授業あったっけ?」
たしか薬品などを使う授業は2年生になってからのはず。
「ああ、違う違う。追われてるから隠れてるの」
「追われてる?」
晶くんは少し疲れた顔をしながら床に座りこんだ。
「生徒会だよ。捕まったら反省文と誓約書を書かされて、ちゃんとした服装に戻るまで自宅謹慎らしいよ」
そういえば校内でチラチラと生徒会役員の人が歩いてるのを見つけた。ああやって生徒たちを監視してるんだろう。