今日も一条三兄弟と××な日々。


でも晶くんの格好は怒られても仕方ない気もする。

だって髪を染めたりピアスを開けたり、それなりに校則違反をしてる生徒は沢山いるけど晶くんほどじゃない。

どうしたらこんなに髪色が抜けるんだろうってぐらいの金髪だし、基本的にピンクや黄色やオレンジの派手な色ばかりを着てるから。


「晶くんは昔からそんなに派手なの?」

素朴な疑問。


「まあ、物心ついた時からこういう格好は好きだったよ。黒とかモノトーンは似合わないっていうのもあるんだけど」

たしかに落ち着いた色を着てる晶くんは想像できないな……。生まれた時から金髪だったんじゃないのってくらい定着してるし。


「でも本当は忘れられるのが怖いのかも」

「え……?」

晶くんの〝らしく〟ない言葉に私は止まってしまった。


「俺って透明人間でしょ?だからいつか人間のほうの血が薄れてずっと透明のままになっちゃったらどうしようって思うんだよね」

「………」

「透明になるのは楽しいよ。でもそれは戻れるってことが前提にあるからなんだよね。もし透明のままだったら誰も俺に気づかない。いつかそんな日が来ないとも限らないでしょ?」

それは少し寂しげな表情で。

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