今日も一条三兄弟と××な日々。


もしかしたら晶くんはずっと自分が消えてしまうかもという想いがあったのかもしれない。

だからこそ人から強く認識されたい願望がある。それがこの派手な格好の理由だとしたら、なんだかすごく胸が痛くなった。


「もしそんな日が来たら……まりりんも俺に気づかないね」

いつも明るい晶くんだからこそ、こんなことを言われると余計に苦しくなってしまう。


一条三兄弟はみんなそれぞれ苦悩を抱えている。

キラキラしてるだけではいられない部分。それを少しでも軽くしてあげるにはどうすればいいだろう。


「……じゃあ、今度一緒に探しに行こうよ!」

透明人間の血筋は私には変えられない。

だからもしそうなってしまったら……。晶くんが言うようにもし誰にも認識されない日が来てしまったら……。


「なにか晶くんだって分かるような匂いのもの。体に付けるものでもいいし身に付けるものでもいいし、できれば心地よくてみんなが好きになるような匂いがいいよね」


防ぐことはできなくても透明になってしまった時、聖が晶くんを匂いで探せることを思い出した。

聖のように優れた嗅覚はないけど、晶くんだと分かる匂いがあれば私でも探せるんじゃないかって。

その姿を見つけてあげられるんじゃないかと思った。
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