今日も一条三兄弟と××な日々。

***


「なんかグラウンドのほう騒がしくない?」

それから昼休みになって景ちゃんと自動販売機で飲み物を買っていた時のこと。この場所とグラウンドは細い通路で繋がれていて、その声がよく響いてくる。

気になって見に行くと、もう昼休みだというのに走らされているひとりの男子がいた。

「私たちのせいだ。どうしよう……」と、それを遠巻きで見つめている女子たちが言う。


「茉莉、あれって……」

景ちゃんに言われてよく走っている生徒を見てみると……。


「す、昴さんっ!?」

ちょうど倒れこむようにゴールしたところで、そこには生徒会の人が立っていた。

状況が分からないまま景ちゃんが周りの女子たちになにがあったのか聞いてくれた。


どうやらいつものように昴さんに話しかけていたところを生徒会に見つかってしまったらしい。

そこで昴さんは「ただ挨拶をしてただけ」と女子たちを庇ったらその罰則が昴さんに向いてしまい、昴さんはペナルティとしてグラウンドを走らされてしまったんだとか。

しかも1周ではなく400メートルあるトラックを5周も。つまり昴さんはこの暑い中、2㎞を走ったことになる。
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