今日も一条三兄弟と××な日々。
そして私は昴さんを連れて人気のない校舎裏へと向かった。
「昴さん本当は大丈夫じゃないですよね?」
木陰になっているところに座りながら昴を見た。
走ったことより昴さんにとって厄介なのはこの燦々と照りつけている太陽だ。日光は昴さんにとって天敵のはずなのに……。
「うん。もう少しで意識が飛ぶところだったよ」
いつも爽やかな顔をしてるのになかなか引かない汗。私はスカートからハンカチを出して昴さんの額を拭う。
「茉莉ちゃん、お願いがあるんだけどいい?」
そう言って昴さんは私の膝に横になった。
誰かを膝枕するなんて初めてのこと。いつも昴さんをことを見上げてたから見下ろすのはなんだかヘンな感じだ。
「本当に膝枕されるよりするほうが好きなんだけどね」
いつも尽くしてくれる昴さんらしい言葉。
「はは、毎日のお弁当のお礼ぐらいさせてください」
「これがお礼?」
「え、あ、これじゃなくても……」
「嘘。茉莉ちゃんが膝枕してくれただけで十分だよ」
昴はそう言ってメガネを外した。
少しでも身体の熱が取れるように私は手で風を作る。さらさらと昴さんの前髪が揺れて、目を瞑るまつ毛が長い。