今日も一条三兄弟と××な日々。


黒い髪の毛に黒い瞳。私も見下ろすように見つめる視線が重力に押し潰されてしまいそうなほど重苦しい。


「え、えっと、生徒手帳を……」

悪いことなんてしてないのに悪いことをしたような気分にさせる。そのぐらい私を否定するような目付きだった。


「お前、今俺に触ろうとしただろ?」

「だから生徒手帳を……」

「校則違反で処罰するぞ。あと〝それ〟は捨てておけ。お前が触ったのなんて汚くて受け取れない」

私の手の中にある生徒手帳を指さして、そのまま歩いていく。


処罰?汚ない?

色々と頭が追い付かないけれど、ひとつの可能性が浮かんできた。

この人は生徒会で、偉そうで傲慢で、尚且つ肩を叩こうとしただけで汚ないと言い放つ。


「もしかして生徒会長の霧島……禄?」

同級生なのに噂でしかその存在を知らなかったから顔は分からなかったけど、もし私の勘が当たっているなら……。


「俺を呼び捨てにするなんてよっぽど処罰されたいらしいな」

その足がピタリと止まる。


やっぱりこの人が生徒会長でおかしな校則を作ってみんなを困らせている元凶。霧島禄だ。
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