今日も一条三兄弟と××な日々。


「お前、クラスと名前は?」

立ち去ろうとしていたはずの足がゆっくりと戻ってきた。

すごくイヤなオーラ。こんなに後退りしたくなったのは初めてだ。


「……2組の佐崎……茉莉です」

同級生なのに強制的に敬語を使わせるような雰囲気。


「佐崎茉莉?」

ピクリと眉が動いたのを私は見逃さない。


「ああ、最近あの三兄弟と親しいという噂の」

何故か引っ掛かるような言い方。たしかに一条三兄弟は目立つけれど、その三人のことをわざわざ言う必要はない。

生徒たちを縛って王様気分でいるくせに、ちゃんと関心の中に三兄弟がいるんだと思ったら違和感を感じた。


「……今日昴さんがグラウンドを走らされたこと。それも会長の……いや、霧島くんの命令?」

だったらどうした、という感じでジリジリと私との距離を詰めていく。そして……。


「あの三兄弟は風紀を乱すゴミでしかない」

「ゴ、ゴミ……?」

気づくと私は拳を握りしめていた。
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