今日も一条三兄弟と××な日々。


「ななな、なに?」

こんな風に聖から詰め寄られたのは初めてで、
このままだと心臓が口から飛び出してしまう。

ゆっくりと顔が近くなる中で、期待をしたわけではないけど条件反射で目を固く閉じてみる。

そして……。


「なんかくさい」

「え゛……」

なんだかハンマーで頭を殴られたかのような衝撃。

く、くさい?

慌てて自分の身体に鼻を近づけて確認する。洋服は洗剤の香りがするし汗もかいてない……はず。

もうショックすぎて涙目になっていると……。


「いや、そういう意味じゃなくてお前からイヤな匂いがするというか……」

「イヤな匂い!?」

それってやっぱりくさいってことなんじゃ……。

ひとりで落ち込む中、聖は困った顔でポリポリと頭を掻いて「まあ、いいや」と私の気持ちも知らずに話を終わらせてしまった。
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