今日も一条三兄弟と××な日々。

また胸がぎゅっとなる。

聖は無関心なように見えて実はちゃんと見てるし、人一倍思いやる気持ちは強い。

だから私はいつも見てしまう。

ずっとずっと目で追ってしまう。


「一条くんって無口で冷たいイメージしかなかったら、それ見てちょっとキュンッとした」

「……え、ま、まさか景ちゃん」

「あはは、ないない。私年上の人しかムリだもん。っていうか茉莉こそ一条くんのことが好きでしょ?」

「え、す、す……っ」

上手く言葉を返せない。

誰かに聞かれてないか無駄に挙動不審になって、目が魚のように泳いでしまう。そんな私を見て景ちゃんが「はあ……」と軽いため息。


「これでも茉莉のこと親友だって思ってるからね。まあ、大体分かるよ。……あと、あの三兄弟になにか秘密があることも」

またまたドキッと心臓が速くなった。


「これはただの勘かな。あの人間離れした容姿とオーラにはなにかありそうだし、三人と茉莉が突然急接近したのも家が隣同士ってだけじゃないのかなって」

「………」

「あ、でも別に聞かないよ?首を突っ込むつもりもないしね」

きっとこれは景ちゃんなりに言えない事情を察してくれた優しさだと思う。


「でも困ったことがあったら言ってね。あの三人のためじゃなくて茉莉のためならなんでもするからさ」

「うう……景ちゃんっ」

景ちゃんとは性格や思考も真逆だけど、それでもこうして友達以上の絆ができて本当に嬉しい。

私にとって景ちゃんは本当に大切な存在だから。
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