今日も一条三兄弟と××な日々。


カチカチとシャーペンの音がやけに響いて聞こえる。この本の匂いと窓から射しこむ夕焼けが余計に心をソワソワとさせていた。

思えばこんな風に心が不安定になったことってなかったかも。

ドキドキしたりウズウズしたりキュンとしたり、息の仕方を忘れるぐらい私は聖とふたりきりだとおかしくなる。


――『っていうか茉莉こそ一条くんのことが好きでしょ?』

こんな時に限って景ちゃんの言葉が頭に浮かぶ。


好き……なのかな。私は聖のこと。

チラッと横顔を確認した。でもその綺麗すぎる顔のラインについ見入ってしまって「ん?」と聖に気づかれてしまったり。

とにかく私は聖の前だと平常心じゃなくなるのだ。


「昨日のこと、お前気にしてただろ」

そんな脳内が花畑になりつつあった中で昨日聖から言われた〝くさい〟という衝撃的な言葉。

せっかく忘れかけてたのに……!
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