今日も一条三兄弟と××な日々。
すると霧島くんは表情を崩さずに静かに指を前に出す。
「だったら力ずくで俺たちを追い出してみろ。吸血鬼が俺のカラスに勝てれば、の話だけど」
クスッと笑みを溢したあと、瞬きする暇もないぐらいの速さでカラスたちが昴さんに突撃していった。
カーカーと大きな声で鳴きながら黒い羽がリビングの床に落ちていく。
「……っ」
いつの間にか昴さんは吸血鬼に変異していて、瞳が燃えるような緋色になっていた。
鋭い爪でカラスたちを叩き落としながらも数では圧倒的に不利。昴さんに隙ができるとカラスが身体を突っついて、その箇所からは血が滲んでいた。
「……昴さんっ!」
私が叫ぶとすぐに「来ちゃダメだ!」と苦しそうな昴さんの声が。カラスたちに攻撃されながらもこっちを見て優しくニコリと笑う。
「茉莉ちゃんがケガをしたら大変だからね」
自分がボロボロのくせになに言ってんの……。
「それと聖も来たらダメだよ。茉莉ちゃんを守るためにも絶対に茉莉ちゃんの傍を離れるな」
「……兄貴」
聖が手助けしたい気持ちをグッと拳で表現した。