今日も一条三兄弟と××な日々。


「は?無理やりしたのなんてカウントされないし!」

「茉莉ちゃんの気持ちを考えないでするなんて最低だな」

「……なんだと?」

三人が口論してる内に私はその場から逃げた。


中庭から静かな場所に移動して、気づけば校舎裏の動物小屋の前に来ていた。

なんだか懐かしいなあ……。

思えば三人との関係はウサ子とウサ吉の失踪事件から始まったんだっけ。


「おい」

振り返るとそこには聖の姿。


「お前にまだ礼を言ってなかった。あの時、止めてくれてありがとうな」

あの時は無我夢中であまり覚えてないけど私はなにもしてない。ただ聖が自分の血に打ち勝っただけのこと。


「私もたくさん聖には助けてもらってるしお礼なんていらないよ」


――『俺はお前を守るために狼になる』

あの言葉、本当に嬉しかった。密かに私の宝物にしようと思ってる。

ちょっと顔がニヤけそうになりながらも必死で堪えて。そんな私を聖はずっと見つめている。
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