今日も一条三兄弟と××な日々。
……血?
色んな情報を頭で繋ぎ合わせて、そういえば吸血鬼は血を吸う生き物だったっけ。
理解はしてるけど学校だとついその事実を忘れそうになってしまう。
「ごめんね。これでも半分吸血鬼の遺伝子が流れてるから抗(あらが)えない時もあるんだよ」
昴さんはそう言って押し倒した私の身体をゆっくりと引っ張り上げた。
メガネをかけて、いつも通りの昴さんの顔だ。
「これでもそれなりに弱点はあるんだよ。直射日光は苦手で頭痛がしてきたりね」
ああ、だから保健室に……!
そっか。吸血鬼にも色々と不便なことがあるのか。
私には分からない世界だけど、晶くんも聖にもそういう弱点みたいなのがあったりするのかな?
「私もすいません。なにも知らずに無神経に血を見せたりして……」
昴さんは日光が苦手で、血を見ると豹変することをちゃんと覚えておこう。
「いや、茉莉ちゃんは悪くないよ。俺は制御できるほうだし感覚的には三兄弟の中で一番人間に近いから吸血鬼といっても血は吸ったことがないんだ」
「……そうなんですか」
ちょっと安心した。
血を吸うってやっぱり怖いイメージしかないし、優しい昴さんとはどうしても重ならないから。