今日も一条三兄弟と××な日々。

***


「おい、ちょっと来い」

そして放課後。帰り支度をしている私に近づく黒い影。顔を上げると机の前に聖が立っていた。


「え、え、なに?」

教室で話しかけてくるなんて珍しい……。


「いいから」

相変わらずクールだけど、私は言われるがまま付いていくことに。教室ではクラスメイトたちはほとんど残ってなかったけど廊下にはさすがにまだいる。

今朝みたいに注目されないように距離を置いて歩いてるけど、そんな心配はいらないぐらい聖は早歩きだ。


「ちょっと、どこ行くの……っ?」

むしろ見失わないように追いかけるのが精いっぱいで周りの目なんて気にしていられない。

走るまではいかなくてもかなりのスピードで歩いてたから少し息が上がってしまった。


「ん」

聖はそんな短い言葉を発してやっと足を止めてくれた。
< 44 / 205 >

この作品をシェア

pagetop