今日も一条三兄弟と××な日々。
「え、な、なに?」
私たちがいるのは人気のない校舎裏。昔は園芸部がここに花を植えてたらしいけど今は草がかなり生い茂っている。
虫も多いし普段は誰も近づかない。
「ちょっとあそこ見てきて」
聖が指さしているのは今は使われていない古びた百葉箱がある辺り。周りはもちろん草が延び放題だし、一度足を踏み入れたらチクリとなにかに刺されそう。
「ム、ムリムリ!なんで?絶対虫いるもん!」
私がごねると聖は眉間にシワを寄せた。
あーはいはい。強制的に行けということですね。
本当になんでこの三兄弟はこんなに強引なのかな。それも人間じゃない力が宿ってるせい?
涙目になりながら私は草の中へと入った。
雑草が足にくっついて気持ち悪い。
うう……ほら、今なにかに刺されたよ。本当に嫌だ……。
「聖!百葉箱に着いたよ!」
だけど別になにもない。ただの嫌がらせ?でも聖はそんなことするタイプじゃないし。
「しゃがめ」
「ええ!?しゃがむの?」
聖は無言で頷いて、ここまで来たらもう開き直るしかない。意を決して草の中へと腰を落とすと私の視界に映る白いもの。
それは気持ち悪い虫じゃなくて、丸くてフワフワしたフォルム。
「あー!」
次に声をあげたのは私だった。