今日も一条三兄弟と××な日々。


それは間違いなく行方不明になっていたウサ子とウサ吉。ここは動物小屋から反対方向だし、ウサギの足を考えてここまでは探してなかった。

二匹とも元気そうで私が抱き抱えると鼻をピクピクと動かしていた。


「無事でよかった……。みんな諦めかけてたんだよ?」

やっぱりヘンな人が持ち去ったんじゃないかとか、表の道路に逃げちゃって最悪は……とか、色んな憶測が飛び交っていた。


「なんでここにいるって分かったの?」

私は草を抜けて聖の元へ。


「たまたま匂いがしただけだ」

またぶっきらぼうな言葉。だったら最初からウサギがいるって言ってくれたら良かったのに。


「お前が小屋に返してきて」

そう言うと聖はこの場から去ろうとした。


「え、なんで?ウサギが苦手なの?」

わざわざ私を呼びにきたのもおかしいと思ったけど。

すると聖はウサギを見つめて消えそうな声でぽつり。


「怯えさせるといけないから」
< 46 / 205 >

この作品をシェア

pagetop