今日も一条三兄弟と××な日々。

私にはそれが狼だからって聞こえた。

狼がウサギを補食するかどうかは分からない。
少なくともそんな関係性が成り立ってしまうから目の前に狼がいたらウサギは迷わずに逃げるだろう。

でも私は……。


「な、なにするんだよ」

私はウサギたちを聖に近づけた。


「怯えないよ。怯えてないよ」

そう、例え聖の身体に狼の血が流れていてウサギたちもそれに気づいていたとしても、ウサギは聖に怯えたりしない。


「人間と動物だってそれなりに意志疎通ができるんだから、半分狼の聖ならもっとウサギの気持ちが分かるでしょ?だからウサギだって聖が怖い人じゃないって分かるよ」


きっとそうやって自分は人間じゃないからとか、自分は普通の人と違うからって思ってきたことが沢山あると思う。

とくに聖からはそれを強く感じる。


「平気だよ。触ってみて」

私が言うと聖は恐る恐るツンとウサギの頭に触れる。

それを2回繰り返して次に大きな手で撫でるとウサギたちはまた嬉しそうに鼻を動かしていた。
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