今日も一条三兄弟と××な日々。


***


「まりりーん!」

そして午前の授業が4限目まで終わって、音楽室から教室に戻る廊下で晶くんに声をかけられた。

周りを取り巻いているお姉さま方に「じゃあね」と手を振って足早にこっちに駆け寄ってくる。


「ポニーテールのまりりんの後ろ姿なんて普段は見ないから声かけるまでに3秒遅れちゃったよ」

なんて可愛いことを言うのだろう。

髪の毛を右耳にかけてることも可愛いし、もし世界に可愛い男子コンテストがあったら間違いなく1位になってる。


「まりりんの友達?」

晶くんが隣の景ちゃんに気づいた。


「うん。飯田景子ちゃん。景ちゃんは同じクラスで……」

「景ちゃん!景ちゃんって呼んでいい?」

一応年上なのにこの距離感がない言い方。甘えん坊の末っ子晶くん特有の技だと思う。
< 53 / 205 >

この作品をシェア

pagetop