今日も一条三兄弟と××な日々。
「ここが俺の特等席」
そう言って晶くんが向かったのは何故か体育館の2階。窓を開け閉めする用に手すり付きの通路があって、普段はバレー部やバスケ部の人しか使わない。
窓を少しだけ開けると涼しい風が頬を通りすぎた。
「まりりん、ここ」
晶くんが自分の隣を指さす。
誰もいない体育館はやけに声が響いて聞こえて、授業以外で体育館を使っていいのかどうかも分からないけど晶くんに規則という言葉はないと服装を見て気づいた。
「いつもここで食べてるの?」
壁に腰をつけて晶くんはあぐら、私は体育座り。
「うーん、たまにね。けっこう静かでいいでしょ?」
「はは、そうだね」
いつも教室か学食でしかお昼を食べないから新鮮でいいかも。
私は膝の上にある昴さんが作ってくれたお弁当箱を開けた。まるでお店のように綺麗に彩られたおかずたち。
こんな贅沢なものを毎日晶くんや聖が食べてると思うと羨ましすぎる……!
「でも静かすぎて不都合なこともあるんだよね」
「……?」
私は首を傾げながら甘くて美味しい卵焼きを口に入れる。
すると晶くんはニヤリと笑って、その顔を私の耳元へ。
「響きすぎちゃうじゃん。声とか」
「ひゃっ……!」
わざと息をかけるから思わず肩をすぼめてしまった。