今日も一条三兄弟と××な日々。


「うるさいな。聖には関係ないでしょ」

これは昨日の仕返しの言葉。


「うん。関係ない。じゃあね」

それなのに平気な顔をして私をスタスタと追い抜いていく。

狼になるのが怖いなんて、そんな気持ちを抱えているくせに自分は強いふりをして他者を拒絶する。

もう、本当になんなの……。


足は痛いし、もう歩きたくないし。なにより聖が歩き去ってしまったことがなんだか悲しい。

ペタンと力が抜けたように地面にしゃがみこむと、私の頭上が影で暗くなった。



「お前は車に轢かれてーのか」

顔を上げると不機嫌そうに私を見下ろす聖の姿。


「昨日アイスもらったから、その礼ぐらいしてやる」


相変わらず不器用な言葉。

だけど分かってた。

聖は必ず戻ってくるって。その心に優しさがあることを私は知っているから。
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