今日も一条三兄弟と××な日々。


私が熱いのか聖の背中が熱いのかは分からない。

聖はブツブツと文句を言いながら私をおんぶしてくれていて、その大きな背中に私は身を任せている。

密着する身体が今さら恥ずかしい。


襟足がくるんっと丸くなっているのがなんだか可愛くて、いつもは見ることのできない箇所を怒られるぐらい見てしまう。


「おい」

「は、はい!?」


……ヤバい。見てることバレた?

でも後ろに目があるわけじゃないし、特殊な力があってもさすがにそれは……。


「昨日はちょっとイラついた」

「………」

続きの言葉があるのかと思って待ってみる。だけどなにもない。むしろ私の返事を待ってるようにも見える。


「え?うん。イラついて……なに?」

「それだけだ」

「そ、それだけ?」


俺はイラつきましたって報告だけ?

いや、そんなことは知ってるよ。朝からずっと不機嫌だったし目も合わないし、喋ったのもついさっき。

だから怒ってらっしゃるんだなあと、一日中感じていたけど……。


「ぷっ、あはは」

なんだか急に可笑しくなって笑いが込み上げた。
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