今日も一条三兄弟と××な日々。


「なに笑ってんだよ。放り投げるぞ」

聖の荒々しい言葉も今は笑いでかき消されていく。


「だって普通はイラついたからごめん、とか言うんじゃないの?」

私もそう言われると思って待ってたのに清々しいぐらいなにもなかったから本当にそれが可笑しくて、可笑しくて。


「なんで俺がお前に謝らなきゃいけねーんだよ」

「うん。だよね。分かってる」

「その言い方すげームカつくんだけど」


そう言いながらも聖は私をおんぶして歩いてくれている。その揺れが心地よくて、このまま遠回りしてくれないかなって思ったりして。


「聖はひとりのほうがラクなの?」

聞こえなければいいな、という声のボリュームで。


――『聖は人と関わらないことが正しいと思ってるからね』

まだ昴さんの言葉が耳に残ってる。


何故だか聖の肩に手を回す力が強くなって、地面を擦る足音だけが今私たちに聞こえている音。


「あいつらの匂いはキライだ」

そんな音に混ざって返ってきた声。
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