今日も一条三兄弟と××な日々。
「はい、じゃあ血液とるよー」
さらに軽い感じで注射針を何ヵ所にも射す。注射が苦手な私としては恐ろしすぎる光景。
いや、その前にこれは……なに?
「うちの父さん、ああ見えて医者なんだよ」
隣で昴さんが苦笑いをしていた。
ええ?お医者さんだったの!?
こんな器具を持ってることも不思議だったし、
すごく慣れた手つきをしてるな……とは思ったけど。
「医者は医者でも闇医者だけどな。俺たちみたいな特殊な奴らを相手に血や細胞を細かく調べたい採取マニア」
「人聞きの悪いことを言うなよ。聖ー。人間の病院じゃ都合の悪いこともあるからこうして俺が詳しく診てあげてるんだろ?」
匠さんはそう言いながらも晶くんの身体から取ったした血を見てうっとり。
しかもアタッシュケースには試験管や怪しげなファイルが並んでいて、どうやら採取マニアというのは嘘じゃないらしい。
「ねえ!もういい?ペタペタ皮脂を取られて気持ち悪いし注射も痛い!あと早くこれも外してよ!」
拘束されている両手両足のバンドを見つめて晶くんは疲れた顔をしていた。
「ま、待って!あと髪の毛と爪も欲しい!すぐ終わるから!」
「すぐ終わったことなんてないじゃん!長いんだよ!本当に!」
いつもニコニコと太陽のような晶くんが怒っている。
……これがイヤだから三人はうちに逃げてきたのか。やっと納得した。