今日も一条三兄弟と××な日々。
昴さんが2階の突き当たりだと教えてくれて私はひとりで階段を登った。
薄暗くて足元がよく見えないけど、うちの家と同じ構造だから大丈夫。
ガチャと部屋のドアノブを回すとふわりと風が髪の毛を通りすぎてカーテンがゆらゆらと揺れていた。
……そういえば男の子の部屋に入ったのは初めてかも。
中にはベッドと机と本棚だけ。
散らかっている私の部屋とは違ってすごくシンプルで整理整頓されている。
……さすが昴さんだな。
それになんだか部屋からはいい匂いがするし、この匂いはどっかで嗅いだことがある気がするけどどこだっけ?
そんなことを考えながら私はクローゼットに手を伸ばす。
その時、また窓から風が入ってきてなにかがパタンッと倒れた音がした。
振り返ると床には本棚から落ちた写真立てが。
慌てて拾い上げて、どうやらガラスは割れてないみたい。良かった……。
そして月が照らすように写真が私の目に映る。