今日も一条三兄弟と××な日々。


「そういえば今週から風紀が厳しくなるんでしょ?ああ、本当に憂鬱だよー」

全然、憂鬱そうに見えない晶くんが言う。

たしか風紀強化週間だっけ。前に景ちゃんが言ってた気がする。


「初めて経験するから知らないけど、俺絶対に靴とか注意されると思うんだ」

はあ、と晶くんが悲しい顔でため息をした。


「……いや、注意されるのは靴じゃなくて全部だよ!」

思わず鋭いツッコミ。

だって髪染めも禁止されてるのに堂々と金髪だし、たまに可愛いピアスもしてたりする。

しかもパーカーとかTシャツとか自由だし、指定の制服が最早べつのものに見えるぐらい。


「生徒会だからけっこう厳しいと思うよ。強制的に早退させたり、ひどい時には謹慎もあるらしいし」

学校の規則は大切だけど、なんだか生徒たちを上から押し付けてるみたいで苦手。

こんな噂をしていると早速校門の前で登校指導が行われていた。


「晶くん……」

ふと、隣を見ると晶くんがいない。


「あいつなら他の奴らに混ざってもう校門を抜けていったよ」

聖がそう教えてくれたけど、もちろん透明化した晶くんは見えない。

本当、透明人間の力って晶くんのためにあるようなもんだよね……。
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