『誰にも言うなよ?』
「なんで青山くんが」
「委員長に会いに来てんの」
「しかも名前呼び」
ざわつく教室。
……無理もない。
雅人はカッコイイし。ヤンキーだから。
わたしと関わっているのが、周りからしてみれば違和感でしかないのだろう。
「連絡先、聞いてなかったから」
「……連絡先?」
「教えて」
そんなの聞いてどうするのだろう。
なんの連絡を取り合うの?
あ、そうか。
知らないと恋人らしくないから……とか?
だとしてもね。
なにも朝一番に聞きに来ることないよ?
めちゃくちゃ目立ってるから……!!
ポケットからスマホを取り出すと、手渡された。
「入れて」
そんなこと言われても、使ったことがないのでよくわからない。
画面に触れて操作すればいいの?
(えっと、03……)
入力し終えると、スマホを雅人に返す。
「……これ、宅電?」
「あ、うん」
うった番号は、自宅の固定電話だった。
「携帯は?」