『誰にも言うなよ?』
*
昼休み、屋上に向かう。
雅人とわたしは、放課後だけでなく、休み時間も一緒に過ごすのが日課になっていた。
「はい」
「作ってくれたんだ?」
「……うん」
わたしが渡したおにぎりを眺める雅人。
玉子焼き以外も食べたい、と言われたから余分に作ってきた。
パンク修理代を建て替えてもらったお礼だ。
「口にあうかわかんないよ」
まあ、ただのおにぎりだから好きも嫌いもないかもしれないけど。
「具って入ってる?」
「から揚げ」
「それはテンションあがる」
そういって、さっそくラップをあけて口へと運ぶ雅人。
相変わらず綺麗な横顔だなと思った。
「美味い」