『誰にも言うなよ?』
……銀髪のことだろうか。
雅人と顔見知りみたいだったけど、そんなに古い知り合いなの?
それも、家族ぐるみの。
「アイツの親、権力者で。これまで問題起こしても金で解決してきたようなやつなんだ」
「問題?」
「結構やばいことしてきてる。ネンショウ入れられてもおかしくねぇ」
ネンショウとは、おそらく少年院のことだろう。
あの銀髪そんなに危ないヤツだったのか。
見るからにキケンそうだったが……。
でも、
『……落ち着いてモトコ』
『収穫ゼロじゃ、あの子が納得しないと思うんだよねぇ』
『それっぽい映像を作っておかなきゃ』
冷静になった今、
銀髪の台詞を思い返してみると
どこかわたしの為に動いていたようにも思える……。
『ボクのオモチャになって』
……いや、違うか。
わたしを言いくるめてオモチャにしようとしていただけ、だよね。
あの銀髪は信用できない。
「なんでそんなやつが木乃を?」
「さぁ。素子とアイツに接点があるとすれば……」
「頼まれたっていってた……!」
扉を開けて入り、会話に参加する。