『誰にも言うなよ?』
「あの銀髪、言ってた。ビデオカメラで、わたしをもてあそぶところ記録するように頼まれたって」
「頼まれた……か。あいつは気分屋だから扱いにくい。そう簡単には他人の言葉で動くようなヤツでもないんだ」
イカれた野郎には違いないけど、ホイホイ依頼を受けてもいないってわけか。
「そんなあいつが動いたってことは、それなりに親しくて上手く乗せられるよう話を持ちかけられる人間で。それも、素子と関係してるってなると」
顎に手をあてる、雅人。
「まさか……芦屋か?」
――!!
「どう話を持ちかけたか知らないが。芦屋なら、あいつと組むことが可能かも」
「……エリカが?」
取り返しのつかないことになっていなかもしれないのに。
イタズラなんてレベルではとても済まない程に。
信じられない。
「ここまでして、わたしに嫌がらせしたいの……?」
「遊び、なのかもな」
狼谷先生がポツリと言う。
(……遊び?)
「やって良いことと悪いことの区別のつかないガキは、とんでもないことしでかす」