『誰にも言うなよ?』
――週明けの月曜日。
朝、家を出ると雅人がいた。
「おはようっ……!」
「おはよ」
雅人は朝がそんなに得意じゃないはず。
寝不足だからと屋上で寝てたこともあったから。
なのに……。
早起きして迎えに来てくれたんだ。
わたしが、あんな目に合ったから。
雅人は、本当に、優しいひとだ。
【前向きに検討してやれば?】
先生は、あんなことを言ったけど
雅人がわたしを本気で好きになった可能性なんて……
「どうした?」
「へ、」
「じっと見てるから。俺、寝癖でもついてたかと思って」
「いや。ついてない」
「そっか」
こんなに美しい人がわたしを選ぶなんて……
まさか、ね?