『誰にも言うなよ?』
もし、雅人に
“もしかして、わたしのこと好きになった?”
……なんて聞いたら、
めちゃくちゃ自意識過剰だよね!?
先生が変なこといったせいで意識してしまうじゃないか。
いつも通り、いこう。
平常心……平常心。
「制服、直らなさそう?」
雅人からそう聞かれたのは、わたしが制服でなくジャージ姿だったからだ。
「え、ああ……いや、縫えばまた着られるかな。昨日縫えなかっただけで」
破れた場所が場所なので縫い目が見えて超絶ダサくなるけど、そんなことは言っていられない。買い直すことを思えば繕う方がずっといい。
ただ、昨夜は、忙しかったというよりは――。
あの男のことを、考えていた。
ずっと。
眠りにつくまで……。