『誰にも言うなよ?』
――そうか……。
レオにとっては、お金でなんでも解決するのが当たり前になってるんだ。
刑務所に入るような犯罪行為ももみ消して。
気分ひとつで簡単に転校できて。
そんな風に好き放題やってきたせいで、大きく歪んでしまってるんだ。
「他の人がどうかは知らないけど、わたしは違う。レオになにか買ってもらっても、それで好きにはならない」
「ほんとかな」
「ほんとよ」
「でもさぁ。別に青山くんである必要なんて、ないんでしょ?」
「なにが」
「だってモトコが好きなのは青山くんじゃなくて別のオトコなんだから」
――!?
「あ。やっとこっち見てくれた」