『誰にも言うなよ？』

「雅人っ……わたしのこと、そんな風に想ってくれてたの？」

「少しも俺の気持ちに気づかなかった？」


雅人の問いかけに頭を縦に振る。


「鈍感すぎ」

「ただのフリなのに、いつも真剣にわたしの味方してくれる雅人を見て……ほんとに優しい人だなって、思った」

「好きじゃなきゃ、ここまでしないから」

「っ、」

「フリだけでこんなに誰かにかまえるわけないだろ」


雅人が


雅人が


「一緒に帰るのも。迎えに行くのも。俺が素子といたいからって、気づいて」


こんなにも真剣に、気持ちをぶつけてくれている。


「……素子」

「はいっ、」

「レオのこと。ぶん殴ってきていい？」


――！！


「ダメッ……暴力反対！！……雅人が、停学になっても困るし」

「だけどムカつく。素子の唇、奪われて」


雅人が、レオに、嫉妬してる……。


「フリなんてやめて、ほんとの恋人になろ」