『誰にも言うなよ?』
「あ、それエリカが載ってる……」
愛美が雑誌に手をのばすと、
「ちょっと。触らないで?」
エリカが愛美の手をパシッと払いのけた。
「あっち行けよ。いつまでここにいんの」
と、菜々。
「……っ、」
居場所を失った愛美が教室から出て行く。
明らかにいつもと様子が違う3人。そのことに気づく者はいても、それを話題にする者は誰もいない。
騒ぎ立ててエリカたちに目を付けられたくないから。
愛美は、ハブられているの?
「モトコ」
「え……」
レオの声でハッとする。
「どーしたの?」
「べ……別に」
愛美が気になる。
どこに行ったんだろ。
「ねぇねぇ、レオくんご飯は?」
「持ってきてない」
「下に購買と学食あるよー」
「コーバイ? ガクショク?」
「あはは。レオくんやっぱり帰国子女?」
「うちらが案内してあげる」
「行こ行こー」
女子に連れられてレオが消えて行った。
モテすぎ……。