『誰にも言うなよ?』
「ひょっとしたら中の様子は録られてるかもしれない。名簿や店内の様子が撮影された動画が警察に見つかればここは閉店しても当然マナミは事情聴取にあう。そうなると親や学校にバレる。モトコはそれでいいの?」
ボーッとしてそうなのに、まさかレオがこんなに頭の切れるやつだったとは……。
「よくない」
「だったら、やっぱりキミにできることなんてないよ」
「レオならなにかできるの?」
「ボクならまぁできなくもないかな」
「ほんと!? お金で解決する……とか?」
「最終的にはそうなるけど、まずは店ごと燃やしちゃうとかね。証拠品すべて闇に葬る」
「えぇっ……放火は、ちょっと」
「一番いいのは警察に見つかる前に店ごと消えてもらうことだよね。そのとき女の子の個人情報も消してもらってさ」
「そんなこと可能なの?」
「圧をかけられる人間だったら可能だね」
「それが、レオ?」
「ボクのパパなら可能だろうけど……」
レオのお父さんなにもの!?
「まぁ、他人のためにわざわざ動かないだろうね。ボクが関わってるならまだしも」
「……そっか」
「つまり、ボクたちにできることなんてない」
でも、今こうして話してる間に愛美が危ない目に合っているかもしれない。