『誰にも言うなよ?』


「気持ち悪いくらい白いせいで、小さい頃、男からも女からもバカにされてた。悪魔とか妖怪とか。顔もオンナっぽいからオカマとかも言われたことあったなぁ」

「そんな……酷い、」

「今はモテちゃってるけどね。ほら、ボク、こんなに、美しいからさ」

「…………」

「あれ。モトコ『自分で言うな!』とかツッコミ入れないの?」


レオは、痛みを知らない人間なんかではなかった。


捕まりそうなくらい問題を起こしたり。

人を傷つけることが愛なんて歪んだ考えを持っているのは……。


そんな過去があったからなの?


雅人はそれを知っているのかな。

知っているから、レオのこと、警戒はしても突き放しきれないのかな。


「学校にまともに通ったの、何年ぶりだろう。屋上なんてあんまり長い時間いられないけど。モトコと雅人といると自分もまだ15歳だったんだなぁーって思い出すよ」

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