『誰にも言うなよ?』
(えっ……)
「なんてね」
「びっ……ビックリさせないでよ」
「あは。これじゃ、ボクも青山くんと一緒じゃん」
呆れたように笑う、レオ。
「な……にが?」
「物理的にスキだらけのモトコの唇を奪うことくらい容赦ないのに。臆病になってる」
レオ……?
「オモチャになってとか言ってごめんね? 今はただ、キミを可愛がりたい」
「……!」
「ちゃんと好きだよ」
美少年に真正面から好きだと言われて照れないわけがない。
「モトコは天性のたらしだね。青山くんやボクの気持ちに応えられないクセに魅了してくる」
「そんなつもりは……」
「大好き」
「っ、」
「ボクのことだけ見てよ。ボクもキミだけを愛してあげるから」
体温が、上昇しているのがわかる。
とんでもない心拍数だ。
「お前ら、こんなところでなにしてる?」
――!?
突然車の窓があいて、ひょっこり顔を出したのは――。
「狼谷先生!?」
ブラックモードの狼谷先生だった。
つまり、通常のダサダサでなく美しい方。
なにゆえこんな場所に……?