『誰にも言うなよ?』


 *



トイレから出てリビングに戻ると、雅人とレオがソファにかけていた。


(……なんか二人、急に仲良くなった?)


「お帰り、モトコ。プレゼントだよ」


レオから紙袋を手渡される。


「え、なに?」

「なんでしょうか」

「……わかんないけど。プレゼントなんてもらえないよ」

「誕生日、いつ?」

「12月」

「じゃあちょっとはやい誕生日プレゼントってことで」


はやすぎるだろうが。


「まさか高級品とか……」

「全然? あ、クリスマスプレゼントは別に用意してあげるね」

「いらないし!!……待って、え、これ」


慌てて紙袋から取り出す。


「……制服?」

「うん」


もう用意できたの?

というか本気で用意するつもりだったの?


「いらないよ。自分でなんとかするし」

「でも、代金もう受け取ったよ?」


そういって唇にそっと人差し指で触れてくる。


「……っ、あのねぇ」

「まだ怒ってる? 許してくれない?」

「もう……いいよ」

「それじゃあ今度は両想いになってから気持ちのこもったキスをしようね」

「やっぱり反省してないでしょ……!?」
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