『誰にも言うなよ?』
――2ヶ月後
「行ってきまーす」
わたしといえば、夏休みの課題をして。
家のことをして。
なんの変哲のない日常を送っている。
「なんでひと家族一本限りなのよ」
少し離れたスーパーまで自転車をこぎやってきて、セール品の油を手にとり、かごに入れたそのとき。
「また特売品目当てできたのか?」
雅人と鉢合わせした。
「いいところに……!」
「手伝ってやってもいいよ」
神様仏様、雅人様……!
「妹さんのアイス買いにきたの?」
「ああ」
相変わらず優しいなぁ。
同級生からはヤンキーだと恐れられたりカッコイイとモテている雅人が家では妹にパシられているんだよね。
そのギャップが、もはや可愛い。