『誰にも言うなよ?』


「レオ、」

「モトコがボクを受け入れてくれないのが苦しい」

「……ごめん」

「拒絶しないで」


レオのこと、苦しませたくはない。

だからといって気持ちに応えられない。


レオと恋人になりたいかと言われれば答えはノーだから。


「……友達に、なろうよ」

「残酷なこと言うねぇ」

「あのさ。レオ。わたし、先生のこと――」

「聞きたくない」

「聞いて」

「…………」

「先生とキスしたいとか、ましてや結婚したいとか考えたことないし。付き合う意味もあんまりわかってない。恋ってものを理解できてないんだよね。それでも……」

「カミヤでいっぱいなんだね」

「……そうみたい」

「モトコも苦しいんだよね?」


苦しい……。


「その苦しみ、ボクに消させてよ。幸せにするから。一生かけて」

「……っ!」


ドン、とレオの胸を押した。


「そんなに軽々しく一生とか言わないで」

「……え?」

< 300 / 540 >

この作品をシェア

pagetop