『誰にも言うなよ?』



連絡して来てくれるだろうか。

迷惑じゃ、ないかな。


忙しくて出られない可能性もあるし。


いいや。


……そんなの全部、言い訳だ。


連絡するのが、怖い。

迷惑と思われて嫌われたくない。


結局わたしはアイツが――。


「カミヤがきたらバトンタッチしてあげる。それまでボクがキミを守るよ」

「っ……」

「会いたいんでしょ?」

「…………」

「モトコ」

「……会い、たい」



ねえ先生。



助けてよ。



守ってくれるって言ったじゃない。



(このボタンを押せば……)


画面に表示された発信ボタンひとつで、先生に、繋がる。


そんな簡単なことに躊躇してしまう。


だからといってこれ以上、レオに


わたしの背中を押させるわけにはいかない。

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