『誰にも言うなよ?』
勇気が、欲しい。
「……レオ」
「なに」
「どうして、わたしが先生に朝呼び出されたこと知ってるの?」
「……へ?」
「なんで?」
「ははっ。……愛の力、かな?」
「嘘だ」
「エスパーだよモトコ」
そんなわけあるか。
「まさか、まだ変なアプリ入ったままなの?」
「そういえば、ひとつアンインストールし忘れてたかもねぇ。あはは」
「レオッ……!!」
「怒らないで?」
「もうっ、」
「あれぇ。この音……」
「!」
――突然、聞こえてきたのは……。
「エンジン音?」
「だねー」
(まさか……仲間が増えたの…!?)
校庭に目を向けると
さっきの派手な連中とは打って変わって、真っ黒なバイクに乗る男たちが入ってくる。
着ているのは、黒スーツ。
バイクから降りた男のうち、ひとりが
黒マスクをしている――。
「……なぁんだ。呼ばなくても来たね」