『誰にも言うなよ?』


 *



階段を降りていると――。


「どいつだよ! 本田さんのバイクにイタズラしたのは」

「この学校の生徒って情報は掴んでんだよ」


そんなことを言ってバットを振り回している連中がいた。


うちの学校には不真面目な生徒が多いが、まさか、暴走族に喧嘩を売った連中がいるの……!?


アイツらの前に出るのは、マズイ。


「このまま1階まで降りよう。足音、気をつけて」


レオが、耳元でわたしに囁く。


「……うん」

「怖い? 引き返す?」

「ううん。進む」

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