『誰にも言うなよ?』
さっきの会話から、この学校の誰かのイタズラのせいで今めちゃくちゃな状況になっていることがわかった。
「……アイツら、誰か狙ってるみたい」
「当事者はガクガク震えてるだろうねぇ」
よくも授業をつぶしてくれたな。
よくも、こんな騒動起こしてくれたな……!
「まあ、“いれば”の話だけど」
「え?」
「ここの生徒の仕業かなんて、怪しいよねー」
「…………」
「あっちの掴んだ情報が“北高の制服をた着ていたのを見たから”とかなら簡単に偽装できるし。ただの言い掛かりって可能性もある」
レオの言うことも一理ある。
その場合、うちの学校に恨みでもある誰かの仕業ってことも考えられる。
それでも……
「もし、本当に暴走族のバイクがイタズラされて。このの生徒が真犯人だったなら……。どうなるのかな」
「んー。そりゃあ、見つけ次第、酷い目に合わされるだろうね」
「だったらそうなる前に追い返さなきゃ……!」
「なんで? さっさと張本人を差し出して連れて帰ってもらう方がよくない?」
「悲惨なことになるよ……!」
「だからー。見せしめにもなるし、それがいいって。どこかのクズのせいでこんな事態になったのなら本人にわびてもらうのがいいよ。モトコも授業どころじゃなくて腹たってるんでしょ?」
筋は通っているが
言っていることが、えげつない。
出会った頃に比べて随分と雰囲気が柔らかくなったとはいえ、やっぱりレオって恐ろしいヤツだな……。
「お前ら、なんの相談してんだ?」