『誰にも言うなよ?』
「狼なのに。黒豹って呼ばれてたんですね」
「オオカミ?」
「だって名字が狼に谷でカミヤでしょ。だったらコードネーム的なものも黒豹じゃなくて狼でよくない?」
「……ンなことより掃除は終わったのか?」
「終わるか!」
「さっさとしろ。無駄話してると減給するぞ」
「っ!!」
この酷い散らかりよう……
1日、2日で片付くと思うなよ。
本を本棚に戻すだけでも時間掛かりそうだ。
ダンボールは潰してまとめなきゃいけないし。
そういえば狼谷の準備室も埃っぽかったな……。
もしやこの男、めちゃくちゃズボラなんじゃ?
って、
「なんでパンツ落ちてんの!?」
なにかわからず広げてしまったじゃないか。
「あー、洗い物は洗濯機使って洗ってくれてかまわないよ」
「こんなものまで洗わせる気か」
「ははっ。ガキには刺激強いか?」
ニタニタ煙草を吸う狼谷。
「洗ってやろうじゃない……手洗いで」
一枚だけ洗濯機なんて贅沢なことできるか。