『誰にも言うなよ?』


「……先生?」


狼谷から、笑顔が消える。


「お前の身近な男といえば。青山か、銀髪で」

「……!」

「事故ってことは、銀髪から一方的にされたのかねぇ」

「いきなり探偵モード発揮するのやめて、」


大正解です、狼谷探偵。


「当たった?」

「ええ。まぁ」

「お前いつでもできそうだもんな」

「だ、だれとでもする軽い女みたいに言わないで……!」

「そうじゃなくて。こんな風に――」


頭にまわされていた腕は、腰にまわされ。


「油断してばかりいるし。力も弱ぇからな」


ぐっと迫ってきた狼谷とわたしのオデコがコツンとぶつかった。


ちかいちかいちかいちかい……!!!


「事故チューをカウントしてんじゃねぇよ」

「……はい?」

「とっとけよ。俺に」

「とっておくって。なにを」

「本気のキスも。その先も」

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