『誰にも言うなよ?』
やっぱりレオは狼谷の行方を掴んでたのか。
それとも、元々そうだったこと知ってたの……?
「別にボロくはなかったけど」
「やらしいなぁ。お客さんいないとき2人きりでなにしてるの?」
「……っ!?」
うろたえていると
「2人なのか?」と、雅人が驚く。
「うん。一人でやってるみたい。おかげで事務所散らかり放題だから初仕事は、大掃除」
「ズボラそうだもんな、狼谷って」
「前は綺麗だったみたいだよ」
――?
「そうなの?」
って、レオは本当になんでも知ってるね。
「彼女が定期的に掃除に来てくれてた頃はねぇ」