『誰にも言うなよ?』


「……彼女?」

「目撃情報によると、すらっと背の高い美人だったらしいんだ。掃除しに来てあげるなんて、献身的な通い妻みたいだねぇ」

「へ、へぇ。そんなひと、いたんだ」

「気をつけなよモトコー?」

「なにが」

「彼女と別れて寂しいときって。余計に人肌が恋しくなるから」

「ひ、」


人肌!??


「がっつかれても知らないよ〜。『その案件は俺が片付けるから、お前は俺の心を癒やしてくれないか……?』なーんて。迫られちゃったりして」


なに昼間から変な想像してんのよ。


アイツがそんな風になるなんて考えられない。


「生憎ラブなんて発生しないよ。次行くときはゴム手袋と強力洗剤買ってピカピカにしてやるんだから」

「その調子じゃ告ってもないんだねぇ」

「……!」

「キスくらいならしたかなって想像してたのに」

「すんな!」

「したくてしたわけじゃないよ。無駄にへこんで死にたくなってたボクの時間かえして?」

「知るか、」

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